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ギャグ?ミステリー?色恋??
ずっこけ物語の急展開に、
ますます謎は深まって…?


RISA YURI YAGI
MARI KOU TAIRA
爆走リレー小説。
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なにか。

(...また、機械みたいな動作、繰り返してる。)
フォークを持っては冷えたスパゲティに突き刺し、くるくる巻き取って
乾いた唇へ運ぶ。
私にとっては、食べ物なんて、ただの胃を満たすだけのモノに過ぎない。

今から少し前のこと・・・――。
背の高い黄色い肌をした女の子が、じっと私を見ていた。
彼女の瞳の奥で何かがちらりと動くのが見えた。
その瞬間、なにかが私の中で疼いて、怯えさせた。
言葉にならない声を洩らし、全身を硬直させる。
ふとしたキッカケで思い出せそうで、けれど思い出したくもない...「なにか」。
自分自身で封印した、「なにか」が。

急いで視線を落とし顔を伏せると、私は走ってその場を去った。

とても息苦しくて、照れくさくて、呼吸がうまくできていない。
肺はつぶれそうだし、気管支はひゅうひゅうと風きり音をたてていて、
おまけに心臓まで吐きそうになる。
それでも、私は走った。

―― 行く宛てなど、どこにもないのに。

昇降口までひとっ走りすると、そこにも女の子がいた。
脳がゆさゆさ揺れて、うまく焦点が合わせられない。
彼女が口を開こうとした瞬間、また稲妻が全身に走ったように鳥肌が立つ。
悟られないように、慌てて外へ出る。

それから中庭を抜けてすこし経つと、食堂が見えてくる。
薄暗い部屋を窓から覗いてみるけれど、食券販売機の光しかみえない。
入口のドアノブを押すと、錆付いた音を立てて開いた。

中には、誰もいない。
# by melonpanch | 2004-12-27 14:43 | ■倉木 ねね■

クリスマスって何?

僕はこの町に住んでる猫。
体が真っ黒なのに、前と後ろの足先だけ白いもんだから、近所では僕の事「ソックス」って呼ぶ人が増えている。
どういう意味だか分かんないけど。

それにしても人間ってのは「イベント」とかいうのに敏感だよね。
何かあるとすぐにバカ騒ぎする。
今日だって商店街に行ったら、赤と緑の飾りがいっぱいだった。
あんまりに人が多いいからいつもの魚屋さんに行く事もできない。
今日はご飯なしかぁ。

言い忘れてたけど、僕は妄想学園の生徒。
ん・・・生徒って言ってもいいのかな?
でも国語の授業には毎回顔を出しているし、寝るのはいつもこの学園。
鬼教師のブラックだって、僕を見ても何にも言わない。
それどこか今日は珍しく、ミルクを分けてくれた。
何かいい事あったのかな?
あーあ。僕、人間だったらよかったのになぁ。
# by melonpanch | 2004-12-25 21:19 | ■ソックス■

クリスマスの過ごし方。

本当は何も無かった。予定なんて…。
藍田チロの家に行ったってだれもいないだろう。きっとチロは家にいない。
ビタミンだっていない。きっと仕事に行っている。
崎野りくもいない。友達とパーティーでもしてるのではないか?
奏は?…こっちは家族でパーティーか?行ったところでどうしようもないだろう。
ブラックは独り家でさびしく飲んでいた。

ここまで突っ走ってきた。ため息つく暇も無かった。
自分ではそう思う。
休もうと思えば休めたのかもしれない。
しかし、仕事に熱中することでしか味わえない充実感。
これに取り付かれてしまった気がする。
仕事以外には何も無い。
自分の人生は無に等しい。
クリスマスはこれを思い知らされる。

なぜ李月は田中の誘いを断ったのか?
自信が無い。
仕事以外の自分は。
自信が無いと思うことが許せない。
だから避けているのだ、普段の自分を。

はぁ~。またため息をつく。
たとえ誰もいなかったとしても家庭訪問、行くべきだったなぁ。
後悔した。
# by melonpanch | 2004-12-25 10:41 | ■大葉 李月■

ある教師

田中太郎。
ものすごく平凡な人間。
5人兄弟の長男。
情熱を持って生徒に接しているが
この学校では空回りしている。

この人は平凡だがすごく珍しい。
なぜ珍しいかというと、
あのブラックに恋をしていること。
クリスマスなのでデートに誘ってみようかと思い、
職員室のブラックの机の近くで
待ち伏せしている。

まだかな・・・。あっ。来た!!

「あら、田中先生。何か?」
相変わらず冷たい声。

『えええええっと。。。。あの・・・・ですね、、、、
今夜・・・・・えと・・・・・・・あーーーのーーー』

こんな様子でだんだんイライラしてくるブラック。

「なんですか!?はっきりしてください!!」

ついに勇気を出して言った。
『今夜お食事いかがですか!!!???』

言った・・・・言ってしまった・・・・。

「食事!?申し訳ないですが今日は家庭訪問が4件入ってます
まったく、藍田チロとビタミンと崎野りくは授業をさぼるし!!
奏は不登校になってるし・・・・ふんっ(鼻息」

『そそそっそっそそそそうですか。頑張ってください』

断られてしまった。断られてしまった。
よろめきながら職員室を出て屋上に向かった。
生徒が癒してくれるだろう・・・・・。
# by melonpanch | 2004-12-24 20:44 | ■田中 太郎■

笑顔の理由。

屋上から階段を下りる途中、廊下を歩いていた2人の女子生徒が
クスクス笑いながらチラ見してくる。
こんなんは、イツモのコトで。
僕はにこにこ笑顔を貼り付けたまま、素通りする。

笑顔の理由。
もう二度と孤独になりたくないから。
そんなつまらない理由。
本当の"僕自身"を知ったら、みんな驚くだろ?
「そんなのチロらしくない」
「チロは笑ってなきゃチロじゃない」
嬉しいから笑うのか、逃げるために笑うのか。

未熟な僕には、未だ、わからない。

しんと静まり返った廊下には、ブラックの金切り声が響いている。
彼女の心の奥底に眠る暗い影が、たまにチラリと顔をのぞかせる。
その度に、僕は全身に電気が走ったかのように鳥肌がたつ。
他人の傷を知ることの恐怖心。

「おい、藍田」

聞き覚えのない大声で呼ばれ、顔を上げる。
と、そこには校内でも名の知れた全日制の問題児...
名前は忘れたけど、マッチョの男子生徒が仁王立ちしていた。

「お前、そのパツキンがムカつくんだよ」

マッチョが言う。

「そう…じゃぁ君のパツキンもむかつくなぁ、僕は」

皮肉な笑いを浮かべて言い返す。

「てめ、ナメてんのか?」
「君なんかバッチィもんナメちゃったら入院どころじゃねえなぁ、アハッ」
「ぶっころすぞ、テメッ!」

そう叫びながら青筋を浮かべたマッチョが走り出す。
すべてがスローモーションで動いている。
瞬間的に膝を曲げてしゃがむ。
すると、マッチョの拳は素晴らしく見当違いの空を斬る。
代わりに立ち上がる勢いに任せてマッチョの鳩尾に頭突きを食らわせる。
マッチョはあっさり鈍いうめき声を出しながら、どさりと倒れた。

「ご臨終サン♪」

最後に後頭部へ踵落としを食らわせ、僕はのんびり歩いて購買部へ向かう。
# by melonpanch | 2004-12-23 01:11 | ■藍田 チロ■



5人6脚 リレー小説。
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